「感想サービス」という名のサービスはいくつか存在しています。
運営スタッフがWeb小説に感想を送る企画や、読書感想文を代行して執筆するものも感想サービスです。
ここでお話しする「感想サービス」はこれらとは違うものです。
「自作の小説に有料で感想を送るサービス」を指します。
主にココナラやSKIMAといったスキルマーケットで行われているものです。
私、ひらどーもココナラで活動しています。
物語を読むことが好きな人なら、出品者として誰でも活動できるサービスです。
先輩たちはたくさんいるものの、「どうやって感想を書いてるんですか?」なんて聞くことはできません。
(聞いたら教えてもらえるだろうけど、
サービスの範囲外のことは聞けない…)
実際、購入者として依頼でやり取りしていても、出品者の方が納品までにどういったことをしているかはわからないんですよね。
そこで出品者の一人として手順を開示することにいたしました。
自分でも無駄に手間がかかった工程だなぁとは思うので、丸ごと真似するのはおすすめしません。
当方の工程を参考にしつつ、より効率的で自分に合った方法を見つけてください。
- 感想を作成するときの手順
- 全体の流れ
- ①原稿を印刷
- ②拝読しながら手書きで感想をメモ
- ③感想をWordに入力
- ④感想の推敲
- ⑤PDF化して納品
- 品質と速度のどちらも高いものを
- まとめ
感想を作成するときの手順
小説の感想を書く仕事ですので、依頼の作品原稿をいただくところから始まります。
取引の流れはココナラのサービス紹介でお話ししているので、こちらでは割愛します。
ここでは、原稿をいただいた後の行動についてお話ししていきます。
全体の流れ
私は、下記の順で作業を進めていきます。
- 原稿を印刷
- 拝読しながら手書きで感想をメモ
- 感想をWordに入力
- 感想の推敲
- PDF化して納品
①原稿を印刷
まずはデータでいただいた原稿を印刷します。
パソコンやスマートフォンなどで読んでいった方が作業は早く進むだろうことは承知しています。
それでも電子化された文書を紙というアナログに出力しているのは、その方がじっくり読めるからです。
ご依頼で作品を読むときは必ず印刷するようにしています。
不思議なことに、ペンを片手に印刷した文章を読んでいくと、細かいところにまでよく気がつくようになるんです。
同じ小説を電子書籍と本で買って読み比べたことがあります。
電子書籍でも同じ箇所を読んでいたはずなのに、紙で読んでからやっと気づいた、ということがありました。
読んだのが2回目だったから新しいことにも目がいくようになっただけなのかもしれません。
それでも、お仕事として真剣に読む際にはこの工程は外せないと判断しました。
- スピード重視
- 電子画面でも熟読できる
そういった人には不要な工程です。
納品までの速度も大切ですからね。
ただ単に、私にはそれができないというだけのお話です。
必要がなければ印刷せずにパソコンまたはスマホで読んでいってください。
②拝読しながら手書きで感想をメモ
A4の紙と万年筆を用意して、印刷した原稿を読んでいきます。
原稿を読みながら感じたことを手元の用紙にメモしていく工程です。
ここで書く感想は大抵、人の言葉ではありません。
いえ、人の言葉ではあるのですが、人に意味を伝えられるような言葉ではないんです。
- ぎゃあああ!
- ここ好き!
- いや、これは、ちょっと…きついな…
- なんでだ××! おま、そういうとこだぞ! 好き!
- これってどういう意味だろ?→調べる
こんな感じです。
感情のままに書いています。
これだけだとメモを見直したときに意味がわからないので、その感情になった箇所の目印を併記しておきます。
目印というのは、
- 何ページの
- 何という文章を読んだのか
といったものです。
後で感想メモを見ながら作品を読み返すときに役立ちます。
使っている道具がA4用紙と万年筆なのは私の好みです。
前はノートを使っていました。
A4用紙の方が勢いつけて感情のままに書けるので、いまはこれを使っています。
万年筆は主に、カクノと色彩雫のコンビで使っています。
私の熱量に耐えてくれる、ステンレスのペン先を持った良い子です。愛してる。
色彩雫の50mlボトルの中身もたちまち消費できます。
露草は使い切ってしまったので、次は紅葉がほしいな、なんて。
気兼ねなく綺麗な色のインクを使えるので楽しいです。
③感想をWordに入力
意味のわからない文章を意味のわかる文章に変える工程に入ります。
メモだけでは自分でも意味がわからないときがたまにあります。
併記したページ数と文章を元に原稿を確認して、そのときの感情を呼び覚ますことで理解する、ということも。
小説の細かい技法のことは私もまだ勉強中です。
構成が、描写が、文体が、といったことが小説を書く上で大切なことは知っています。
ですが、人にお話しできるほどではありません。
私が自信を持ってお話しできるのは、読みながら私が何を感じたのか、です。
- どんなときに
- どこで
- どうして
- どんな感情を抱いたか
- 結果、私は何を考えたか
これは自信を持ってお話しすることができます。
感想は主観的なものです。
自分の中でははっきりしていても、自分以外の人には見えません。
だからこそ、自分の抱いた感情を他の人にも見える形に文章化することを心がけています。
Wordに全てを打ち込んだらすぐに納品──とするのが一番なのでしょう。
私は、全て打ち込んだ時点でそのままお渡しすることができません。
打ち込んだ感想を推敲してから納品しています。
推敲も行うとお渡しまで大変なお時間をいただいてしまいます。
④感想の推敲
納品する前に、推敲を2回繰り返します。
私が自分の文章を整えるまでに必要な回数です。
この辺りは人によって回数が変わるでしょう。
一回で初めから綺麗な文章を書ける人はそのまま納品しても良いかと思われます。
私にとって初めに打ち込んだ文章は、深夜に書いたラブレターと変わらないくらいまとまりのないものです。
そのまま依頼者様にお見せするのは恥しかないので、推敲を繰り返しています。
まずはパソコンに打ち込み、電子化したデータを印刷してアナログに戻します。
次に、印刷した文書を読みながら万年筆で修正を入れていきます。
その後、修正箇所をパソコンで入力。
ここまで終わったら、文章の向きを変更してから再度印刷をします。
同じ向きの文章を続けて見ると、誤りに気づきにくくなります。
文章の向きを変えることで見た目を変えます。
一度目では気づけなかったことにも気づけるようにする工夫です。
納品に至るまでの間に計3回の印刷を行っています。
基本的に小説の原稿(とブログ記事の原稿)しか印刷しないので、モノクロ専用のプリンターを購入しました。
EPSONのPX-S160Tです。
ForestwayのA4サイズ500枚×10入りで買った箱の用紙を使用しています。
1箱分(5,000枚を両面印刷)使いきってちょっとしたところでインク補充を一回しました。
インクタンクの中にはまだたくさん入っているようなので、次の補充はかなり先になりそうです。
印刷と推敲を2度繰り返したら、今度こそ納品する工程に入ります。
⑤PDF化して納品
Wordで作成した文書をPDFに変換します。
初期はテキスト文書で納品していました。
回数を重ねていくうちにどんどん感想の文量が増えてしまい、テキストだと読みづらさを感じるところまできました。
そこから、見出しで項目を分けることができ、さらに目次を作成できるWordを使い始めるようになりました。
はじめのうちはWordのまま納品していたのですが、依頼者様側で上手く開けないことがありました。
PDFだと上手くできることが多いようなので(いまのところ開けない事態には至っていません)、PDF化してから納品するようにしています。
納品が終わると、その日から一週間のサポート期間を開始します。
これは当方独自のサービスです。
ココナラでは、「正式な納品」にチェックを入れてからメッセージを送ると、トークルームをクローズする段階に入ります。
「正式な納品」から実際にクローズするまでの期限は3日です。
私は、納品内容を確認した依頼者様とやり取りするには3日では短い、と考えています。
- 感想の納品
- サポート期間の終了日がくるor依頼者様からクローズの希望をいただく
- 「正式な納品」にチェックを入れてからメッセージを送る
という流れで行っているのはこのためです。
必ずしも、全ての依頼者様が1週間のサポートを求めているわけではありません。
感想の納品の後すぐにクローズを希望される方もいます。
この辺りは、出品者としての自分がどうしたいかを考えた上で、「正式な納品」にチェックを入れるタイミングを考えると良いでしょう。
品質と速度のどちらも高いものを
サービスとして行っていく上で大切なのは、品質と速度だと考えています。
品質が良くても完成までの速度が遅ければサービスとしてまだまだです。
その点で言えば、私は納品までの速度がかなり遅いです。
依頼してくださった方はドキドキしながら感想を待ってくださっています。
私には、まだまだ改善していくべき点があるということです。
- どうやったらより良いものを書けるか
- どうやったらより早くお届けできるか
こういったことは実際に始めてみなければわかりません。
取引が終わるごとに自分の行った作業とそれにかかった時間を記録し、反省点を見つけていきます。
そうすると少しずつ自分の得意不得意もわかってくるようになります。
サービスを始める際には、「品質と速度の両立」を胸に行っていただけると私は嬉しいです。
まとめ
- 感想を書く手順は人それぞれ
- 品質を上げる
- 速度も上げる
感想の書き方は人によって違います。
ここでお話ししたのは「ひらどー」という一人の人間の書き方です。
長いことこのスタイルで行っているため、私にはこのやり方が定着しています。
ですがこれが正解だとは思っていません。
完成までの遅さは私自身の悩みでもあるので、今後も少しずつ変えていき、効率のいいやり方を探していきます。
感想サービスを始めたらとにかく書いてみて、自分に合った方法を見つけてください。
読み直しても減らない誤字脱字は、スキルを持った人にチェックしてもらいましょう。
ココナラなら、小説の校正・校閲を依頼できます。