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今更聞けない!本の読み方を教えてくれる「大人のための読書の全技術(齋藤孝)」感想まとめ

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「小説を書いて生きていこう!」

これを決めたとき、自分の中に不足しているものを改めて考え直しました。

そのうちの一つが読書量です。

多くの知識人と比べて、本をほとんど読んでいない自覚がありました。

人生で一番読んでいたのは高校生の頃と、社会人となって一人暮らしをしていた頃だけです。

そのどちらとも小説ばかりを読みふけっています。

小説を書くには小説以外の知識も必要です。

しかし小説以外の本の読み方が分かりませんでした。

新書とか論文とか、娯楽性のない文章を読むのが苦手だったのです。

どんな本を読むかで迷っていた時に出会ったのが、大人のための読書の全技術(齋藤孝)でした。

本の読み方が分からないので、本の読み方が書いてある本を読んで学ぼうという発想です。

単純ですね。

硬い文章だと途中で疲れてしまいそうだったので、なるべく分かりやすい文章で書かれた本を探しました。

結果、この本を選んだのは大正解でした。

この本によって、得られた知識はこんな感じです。

  • どうして読書すると良いのか
  • どんな本を読んでいくべきか
  • どうやって本を読む時間を作るのか
  • どうやって本を速読するのか
  • 読書した知識を自分のものにするためにはどうするのか

この本を読んだだけで読書のコツを知ることができました。

今回は、この本を通じて私が得た知識を紹介します。

読書で知識と思考力が身につく

齋藤先生はこの本で、読書の大切さを繰り返し説いています。

  • 読書をしたら知識が増える
  • 読書をしたら考える力が身につく

読書の効果として、これはなんとなくわかっていました。

でも、「どうして本を読んだら考える力が身につくの?」と訊かれても、私には答えることができません。

本書にはその答えが書かれていました。

哲学者のショウペンハウエルが、多読に否定的なことを述べていることを挙げた上で、齋藤先生は以下のように述べています。

また、同じくドイツの哲学者であるニーチェも『ツァラトゥストラはかく語りき』の中で、「私は読書する怠け者を憎む」と書いています。
しかし私に言わせると、「人類は、優れた人の思考をなぞるという形で、ずっと思考を深めているじゃないか」ということになります。

引用元:大人のための読書の全技術(序章 社会人にこそ、読書術が必要な理由)

この後に現代文明の九十九.九%は、すでに過去の歴史の中で考え抜かれたことでできあがっていますと続きます。

本当にその通りだと感じました。

既に考え抜かれている事柄を、自分の頭で一から考え直すより、先人達の思考を学んだ方が早いです。

自力で思考しようにも、そもそも、どうやって思考した良いのかがわかりません。

その思考の方法も読書を通じて学んでいけば良いわけです。

色んな種類の本を読んで、脳内に「森の図書館」をつくる

齋藤先生は、森のような脳内図書館を持つと良いと述べています。

森は広葉樹や針葉樹、シダ植物などのたくさんの種類の植物が共存しているところです。

そんな森のように、様々な種類の本を読むと良いとお話ししていました。

偏った読書をしている場合については以下のように語っていました。

それでは、杉だけが生えている人工林のような脳内図書館にしかならないでしょう。

引用元:大人のための読書の全技術(第1章 読書のライフスタイルを確立する)

小説ばかりを読んでいる私の脳内は、まさに人工林のようなものです。

この一文は、今まで手を伸ばしたことのない本を読むきっかけを私に与えてくれました。

ライフスタイルに合わせて読む本を変える

読書をするときは、読み始めた一冊を終えるまで次の本に手を出してはいけないと思っていました。

しかし読書の効率が悪い私は、一冊を読み終えるまでにたいへんな時間を費やしてしまっています。

これでは多くの本を読むことはできません。

本書では、同時に多くの本を読む方法が提案されていました。

  • 朝起きたらこの本
  • 通勤時間はこの本
  • 休憩時間はこの本
  • 帰宅後はこの本

こういった具合に、時間によって読む本を決めておくのも一つの方法なのだそうです。

必ずしも一冊を読み切らなくてはいけない、というルールはありません。

同時にたくさんの本を一度に読む発想はなかったので、この読み方は新たな発見でした。

速読モードと精読モードの2種類の読み方をマスターする

多くの本を速く読むには速読を身に着けるのが一番です。

ですが、全ての本を速読しなければいけないわけではありません。

文学作品などは内容を咀嚼して楽しむものなので、むしろ精読をするべきです。

  • 速読の方法
  • 精読の方法

2種類の読み方ができるようになると、より多くの本を深く読み込むことができるようになります。

本書ではそれぞれの身に着け方が具体的に書かれていました。

この中でも特に、読書以外で活かせそうだと感じた内容を紹介します。

速読するときは目的と締め切りを設定する

私が仕事をするようになって学んだのは、時間と質を意識することです。

  • 速くやろうとしなければ仕事は終わらない
  • 質を意識しなければ良いものはつくれない

私の上司は、
「速さと質、どちらを優先すべきですか」
と尋ねると、
どちらも同時に、同じくらい意識しろ」と答えてくれます。

聞いた当初は「無茶言うな!」って思いましたが、実際に仕事をしてみると、本当にその通りなんですよね。

どちらも同時に意識しなければ技術は向上しないのです。

それと同じことが本書でも言われていました。

  • 読書する目的を定めることにより、読書の質を高める
  • 読書するときの締め切りを設定することにより、読書の速度を上げる

読書の他に、仕事や勉強、そして小説を書くときに使えそうな方法です。

ただ漠然と書くのではなく、目的と締め切りを設定して書くことにより、執筆技術を上げていけます。

内容を深く読み込みたいときは音読が良い

昔、学生の頃に国語の授業で音読をさせられました。

古文の暗唱テストなんかもありましたね。

人前で話すのが苦手な学生だったため、何故わざわざ音読しなければいけないのかがわかりませんでした。

その理由が本書で語られていました。

音読をすると良いことがたくさんあります。

  • 内容を深く理解できる
  • 読んだ内容を一生の知識にできる

などなど…。

詳しく解説が書かれていましたが、私の心に響いたのはこの一文です。

いい文章は音読をするとその良さが更によくわかるようになる、と述べた後に書かれていました。

逆に言うと、音読して今ひとつピンとこない文章は、文学性が低いとも言えます。

引用元:大人のための読書の全技術(第3章 読書の質を上げる―精読の全技術)

耳が痛い!

小説書きを志している身としては、ぐさりと刺さるものがあります。

本書は全体的に穏やかな文体で語られているのですが、ときどきざっくりと刺してくる文章も入っています。

それがこの本の面白いところではあるのですが、この話は我が身を振り返りました。

推敲の際の音読の重要さを改めて噛み締めています。

読書した内容をアウトプットする

私が本を読む目的は楽しむことだけではありません。

もちろん、楽しみもあるのですが、読むことによって知識を得る目的があります。

これには、初めからアウトプットを意識して読むことが効果的だそうです。

私の場合は「読んだ内容をブログにまとめる」ことを目的としています。

内容をまとめ直し、ブログに書くことによってより理解を深めようという魂胆です。

ブログをやっていない場合でも、TwitterなどのSNSで人に内容を発信することを目的とすると良いかもしれません。

小説を書くときの資料を読むときは、テーマ(題材)をあらかじめ決めたうえで、必要な項目を探して自分用の資料を自作すると良いのでしょうか。

この辺りは私自身が試してみた方が良さそうです。

いい方法だけど自分にはできそうにないこと

齋藤先生は、読書ノートの作り方として、本そのものを自分の読書ノートにしてしまうことを提案しています。

本に直接書き込みをしてしまうのです。

具体的な書き込み方は本書につづられていました。

本を汚すことに抵抗感を示す人もいますがと語られています。

私もそのタイプの人間です。

本の中身を自分のものにするための手段なのですから、気にする必要はありません

そうはおっしゃっても、気になるものは気になります。

昔、教科書の重要なところに線を引いていったら、全文を蛍光ペンでマークしてしまった経験があります。

何処が一番重要なのかわからない教科書が出来上がってしまいました。

マークの仕方は先生のやり方を参考に練習していくのが良さそうです。

ですが、何のマークもないまっさらな本も読みたくなります。

うーん…。

このやり方だけ、実践するのは保留にしておきます。

まとめ

この本を読みながら、作者である齋藤孝先生はテレビでよく見かけるあの齋藤孝先生と同一人物だと気付きました。

借りたときは作者を意識していなかったので気づかなかったのです。

  • テレビ出演
  • 大学の講義
  • 本の執筆

これらのことをこなしながら尚、何十冊もの本を一気に読んでしまう技術がこの本に詰め込まれています。

文字通り「読書の全技術」ですね。

しかもその技術がとてもわかりやすく、読みやすい文章で書かれています。

頭にスッと入ってくるのですよね。

この方に比べたら、自分が本を読む時間を作れないはずがない。

先生の読書術をマスターさえしたら、私も知識人へ一歩近づくことができそうです。

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