小説家になろうで連載されている、長編ファンタジー小説である「機械仕掛けの天使は闇夜を翔る」を紹介します。
作者は夏野露草(@Tsuyukusa00)さんです。
小説感想サービスのお試しキャンペーンをきっかけとして読ませていただきました。
主人公は、兵器として造られた少女・フェイヴァです。フェイヴァは色んな人と出会い、触れ合って、成長していきます。
出会う人達の中に、レイゲンという無愛想な青年がいるのですが、彼とフェイヴァの関係がいいのですよ!
メインのストーリーは殺伐としているのですが、登場人物達の恋愛模様もかなり美味しい
小説です。
以下では、詳しい内容をお伝えしていきます。
あらすじ
兵器として造られた少女の物語です。
小説家になろうで掲載されているあらすじを載せます。
これは、闇夜に抱かれた人生を駆け抜けた、一人の少女の物語。
金属の翼で空を舞う死の天使。フェイヴァと名づけられた少女は、軍事大国で造られた殺戮兵器だった。しかし、人を模した機械の身体には、不幸にも心が宿ってしまっていた。
時が経ち、少女は兵士養成学校に入学する。正体を隠しながら級友と関わる内に、育まれていく友情と恋心。まるで人になれたような生活は、世界を巻き込む過酷な戦いへと続いていた。
自分は何故生まれたのか。明かされた真実は少女に無慈悲な選択を強いる。人々の平穏か自分の命か、どちらか一つを選べと。
トリップ・転生ではない異世界ファンタジー
小説家になろうの異世界ファンタジーというと、異世界トリップ・異世界転生が多いような気がしますが、「機械仕掛けの天使は闇夜を翔る」の主人公はトリップも転生もしていません。
その世界で生まれた主人公です。
小説家になろうのジャンル定義だと、ハイファンタジーに当たります。
主人公であるフェイヴァは感情を持った兵器
物語は、主人公の目覚めから始まります。彼女は目を覚ましたとき、自分が何者で、どうしてそこにいたのか、何も思い出せませんでした。
それはそうです。彼女は、死天使(兵器)として造られた機械だったのです。人間ではないので、彼女には思い出せる過去が存在していません。
フェイヴァという名を与えられた彼女は、同じような兵器達と比べて、イレギュラーな部分がありました。
死天使というと、黒い翼・無表情がデフォルトなのに、フェイヴァは白い翼を持っている上に人間のように表情が変わります。
死天使を知っている人間からみたら、フェイヴァは気持ち悪く感じて仕方ないでしょうね。
彼女を監視する役目を負ったレイゲンも、初めはフェイヴァに冷たく当たっていました。
戦闘能力の高い青年・レイゲン
死天使は1体当たりの戦闘能力が高く、普通の人間では対峙することもままなりません。
そんな兵器に、たった一人でも優勢に戦えるだけの能力を持った男がいました。
それがレイゲンです。
彼は、フェイヴァの監視を命じられ、彼女と行動を共にします。
初めは素っ気ない態度だったんですが、彼女の母親代わりの女性に押されて服を選んであげたり、過酷な状況に陥る彼女を気にかけたり、根っこではフェイヴァのことを憎からず思っている様子が垣間見えます。
恋愛がメインの話ではないのですが、この2人の恋愛模様は、少女漫画大好き人間の私の琴線に触れました。
人間と兵器の違いに悩むメインストーリー
フェイヴァは兵器の身体でありがながら、人間と変わらない心を持っています。
人間と同じように喜怒哀楽があるのですが、周囲の人間には、彼女は「死天使」としか見ていません。彼女が死天使であることを知っている人で、彼女に優しくしてくれる人間はほとんどいませんでした。
死天使に家族を殺された人間から見たら、フェイヴァも憎い敵の一人でしかないです。
憎しみをぶつけられた彼女は、人間と同じように悲しみ、苦しみます。
人間として入学した学校では、自分が死天使であることを隠しました。
同年代の子と関わるようになる学園編
入学した兵士学校では、フェイヴァは様々な人達と関わっていきます。
私が推したいのは、ハイネという女の子です。
常に幼馴染の男の子の後ろを追っているのですが、幼馴染以外の人と話すときは態度が悪くなります。
あまりにも態度がころころ変わるので「この人、大丈夫なんだろうか」と思っていましたが、話してみると意外にもまともな考えをしている子であることがわかります。
ハイネの台詞の中で好きなのが、これです。
わたしと普通に話してほしいから、自覚がなくても謝ろうとしたの? 自分がへりくだれば、わたしが気分をよくするとでも思った?
本当にその通りですよね。へりくだっている人をみると、私も同じことを考えてしまいます。
甘々な考えを持っているフェイヴァに対し、ちょくちょく喝を入れてくれます。
鈍感系主人公フェイヴァに喝を入れてくれる人達
まだ生まれたばかりのフェイヴァは、ものの考え方がまだまだ甘いです。序盤は、読んでいるうちに、フェイヴァにイライラしてくるかもしれません。
でも、大丈夫です。
そんな彼女に、喝を入れてくれる人がいます。
最初の方ではレイゲンがそれに当たりますし、先述したハイネがガンガンとフェイヴァに物申してくれます。
彼らが思っていたことを代弁してくれるので、安心して読んでください。そして、これは彼女の心の成長を描いた物語でもあるので、気長に待ってみてて欲しいです。
深まる謎
読んでいくうちに、様々な疑問が生まれてきます。
- 何故、フェイヴァは人間と変わらない思考をするのか。
- 何故、フェイヴァはどうして生まれたのか。
- 何故、レイゲンの力の源はなにか。
答えを探しているうちに、また新たな謎も登場してきます。ラストまで一気に読みたいところですが、最終話はまだ先のようです。
更新された内容は、夏野さんのツイッタ―(@Tsuyukusa00)で、発信されていますので、Twitterユーザーの読者さんは、夏野さんをフォローしておくといいですよ。
まとめ
- ハイファンタジー
- 40万字以上の長編
- 主人公のフェイヴァは純粋な心を持った兵器
- レイゲンとの恋愛模様が美味しい
小説家になろうの本文に挿入されているイラストは夏野さんがご自身で描かれているようです。
これだけの文章を書きながら、絵も描かれているので、夏野さんは多才な方だな、と思っています。
「機械仕掛けの天使は闇夜を翔る」は、がっつりしたダークファンタジーを読みながら、恋愛模様も楽しみたい方にはおすすめの小説です。
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