5月21~27日にTwitterにて、「あなたの小説紹介します企画」を行いました。
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対象
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募集期間
5/21〜27詳しい内容は下記の記事にhttps://t.co/v4TdQeGWWJ
抽選の結果、紺坂紫乃(@shino_knzk)様に決まりました。
紺坂様にご指定いただいたのは、アルファポリスで掲載されているKARMAです。
約30万字の、完結済長編小説でした。
1889年の、パリを舞台とした、異能力バトルアクションものなのですが、ただ一言で感想をいうなら――面白かったです!
ここからは、KARMAのおすすめポイントと、詳しい感想を紹介していきますね。
あらすじ
1889年フランス・パリ。
万国博覧会が開催される花の都をテロリスト達から護るべく、日本人剣士・笠木刹那(かさぎせつな)率いる深き『業(カルマ)』を背負う七人の仲間達がパリを駆け抜ける--ヒストリカル異能力バトルアクション!!
おすすめポイント
1889年のパリが舞台のファンタジー小説
「異能」という特殊な力を持つ人達が活躍するファンタジー作品です。
1889年のフランス・パリが舞台となっています。
万国博覧会やエッフェル塔など、実在する出来事や建物の名称がたくさん登場しました。
ファンタジーというと、中世ヨーロッパ風の異世界を想像しがちです。
特殊能力が存在しますが、KARMAは私達と同じ価値観の世界で描かれています。登場人物達が近く感じられました。
リチャード1世や新撰組など、歴史上の人物名も出てきます。
知っている名前が出てくると、ちょっと嬉しくなってしまいました。
主人公・刹那は強いが、チートではない
主人公は笠木刹那。廃刀令があったにも関わらず、パリで帯刀しています。
物語は、刹那が男性に鞘当てをするところから始まります。
このときに刹那がやったことがすごいです。
「すれ違いざまにパスポートを掏り、手ごたえが怪しかったので鞘を当て、敢えて下段から剣を受けて爆弾の所持を知り、向こうが名乗っている間に爆弾を壊した。以上だ」
KARMA第一部.V.Sクルセイダーズ篇1-1より引用
いやいやいや!
どんだけ一気にやっちゃってるのよ!
こんなことから始まってるので、刹那は万能型の主人公かと思っていました。
違います。
能力は高いし、器用だし、人柄もいいけど、割とピンチに陥ります。
それを仲間達が助けてくれるのです。
刹那一人の強さではなく、仲間との繋がりに重点が置かれています。そのせいか、彼の強さに嫌味を感じません。
読んでいる私が、刹那よりも、KARMAの中で最も弱いとされているリチャードに共感していたせいかもしれません。
最弱といわれたリチャード
『業』を背負った7人の異能者を描いた作品ですが、冒頭の時点では仲間は5人しかいません。
残りの2人は、少し後に加入します。
その内の一人に、イギリス人のリチャードという青年がいます。
彼は、尊大な態度を取り、聞いていて腹の立つ物言いを繰り返していました。
それなのに異能を使いこなせておらず、口ばかりが達者な男だったのです。彼はあっさりと「最弱」の烙印を押されてしまいます。
強い人間達ばかりがいた中に、弱い存在が入ったことにより、物語が一層面白くなってきました。
彼が、強くなるために悩み、努力する姿に物語の魅力を感じます。
シリアスなストーリーの中で適度に挟まれるユーモア
物語の中心となっている7人は、前世での行いが今生に影響しています。
これが、作中における『業』です。
そんな物語設定のため、全体的に重みのある雰囲気が漂っています。
作中、ずっと重い話が続くのではありません。
息抜きのように、適度に挟まれるユーモアにくすりと笑ってしまいます。
特に気に入っているのが、メンバーの男性陣が苦手としている、プロフェッサー・マハがやって来ると分かったときの彼らの会話です。
穏やかな調子で、とんでもない逃亡先をこぼす刹那が良かったです。
冗談だか本気だか分からない口調なのがまた良くて、「刹那ってこんなこともいうんだ!」と、にやけてしまいました。
感想
強過ぎる刹那に対する感想
正直にいってしまいますと、私は、強過ぎる主人公が苦手です。
刹那も、初めは「お、おう……、こやつ、何でもでき過ぎじゃないですか。流石にこれは無理じゃないですかね」と、ちょっと引き気味で見ていました。
確かに、刹那は強いんですけど、それだけじゃなかったんです。
強いけど、弱いところもあって、それ故に苦しんでいるところもあって、ユーモアも持ち合わせていて。
結末は、きっと、刹那にとって、幸せなものだったんだと思います。
刹那の行動については、「え、えええー!? どうしてそうなった!?」と思ってしまったところもあります。
でも、彼の人柄のせいか、今では刹那も好きな登場人物のうちの一人です。
KARMAのメンバー
KARMAのメンバーは皆、好きです。
最弱のリチャードに、漢気溢れる左文字、ずぼら魔女のアーヤに、悩める少女ルイーズ、料理上手の老紳士デュークにサイコパスのアンリ、そして、最強の刹那。
サイコパスのアンリって、字面からはやばさしか感じないのですが、この子がいいんです。
彼は強いんですけど、最初から強かったのではないんです。
アンリがどうして強いのか、刹那の抱える『業』とは何か、リチャードはどうやって成長していくのか。
見どころはたくさんあります。
ちなみに、私の推しは左文字ですよ。漢気溢れてますよ。でも女心の分からん奴なんですがそこがまたよくて!
と、語り始めたら止まらなくなるくらい、好きなキャラクターに出会えました。
詳しくは、物語をお確かめ下さい!
>>KARMA(紺坂紫乃)
>>紺坂紫乃さんのブログで当記事を紹介していただきました!
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