前回、「モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う(著:岡崎マサムネ)」の紹介をしました。
正式タイトルは「モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う」です。
主人公のエリザベス・バートンが、自分の幸せのためにイケメンとなって、ヒロインに攻略されることを目的に男装する物語。
前回は主人公であるエリザベス・バートンとサブキャラクターたちの紹介で終わってしまったので、今回は攻略対象の男性たちを紹介します。
攻略対象の一覧
(属性の文言は書籍版2巻の帯より引用)
- 美麗腹黒王太子・エドワード
- 小動物系義弟・クリストファー
- ツンデレ同級生・アイザック
- 舎弟気質の婚約者・ロベルト
1巻表紙の、向かって右の銀髪の男性が王太子・エドワードです。
左の眼鏡をかけている人が同級生のアイザック。
2巻表紙の向かって右奥の茶髪の人が婚約者・ロベルトで、
左側の子が義弟・クリストファーです。
なお、真ん中の金髪の人は主人公・エリザベス・バートンです。
男装が似合い過ぎている
美麗腹黒王太子・エドワードは可哀想美しい
エドワードは王太子です。
王太子というとなんだか、主人公と添い遂げる可能性が一番高いキャラクターのような気がします。
ですが、本作の王太子・エドワードは主人公・エリザベスと添い遂げるのかといわれると……全ッ然わかりません!
添い遂げるのかもしれないけど!
添い……遂げるのか!?
って言いたくなります
エドワードは元々、病弱な王太子設定
エリザベスが転生したこの世界の元のゲーム「Royal LOVERS(通称:ロイラバ)」の王太子は、余命わずかだと宣告されていました。
自身の命が残りわずかであること、いまは自分が王太子だが後ろには弟のロベルトが控えていること。
これらのことから重い悩みを抱えていました。
ロイラバでは、ヒロインと色々あったりなかったりして、なんだかんだで彼の病は完治します。
「モブどれ」開始当初、エドワードは自分が病に冒されている。
それをおおっぴらにすることはありません。せいぜい匂わせる程度です。
ゲームの記憶を持っているエリザベスもまた、エドワードの抱える事情を知っていました。
ですがエリザベスはエドワードの抱える事情に興味がありません。
エドワードの命がどうなるか(なんだかんだで完治すること)は知っていますから、エリザベスにとっては自分磨き(イケメンになること)の方が重要です。
さらに、エリザベスは中々短気な性格の持ち主。
ごちゃごちゃと考えるより手と足を出した方が早い気質を持っています。
最低限の良識は持ち合わせているので手を出しはしませんでしたが、我慢の限界はきます。
ここから、エドワードはエリザベスにぶんぶんと振り回されるようになるのでした。
エリザベスとエドワード
エリザベスとのあれこれがあって、原作から変化があった王太子・エドワード。
ですが、はっきりと物を言わない性質は変わらないようです。
遠回しにエリザベスにアピールをしていますが、何も伝わりません。
悲しいくらいに何も伝わりません。
エリザベスは「自分は鈍感じゃない」みたいなことを言っていますがね!
なぜ気づかない!
エリザベスがエドワードに興味がないというか、自身の恋愛に全く興味がないことが原因なのかもしれません。
エドワードも、王太子という立場があったり、エリザベスが弟の婚約者だったりしておおぴらに好意を示せない理由もあります。
それでも手作りの品を何かと理由を付けてエリザベスに贈ったり、何かと理由を付けてエリザベスを呼び出したりする姿には……ねー?
これでも気づかないのがエリザベス・バートン
ネタバレになってしまうため詳しいエピソードは控えますが、「ここまでやられててどうして気づかないんだい、エリザベス・バートン。酷いや、エリザベス・バートン(でも好き)」という気持ちになりました。
小動物系義弟・クリストファーはある意味一番近くて遠い
クリストファーはエリザベスの義理の弟です。
遠い親戚筋に当たる子なので、血のつながりはほぼありません。
諸事情からバートン家に養子として迎え入れられました。
クリストファーは家族からの愛を信じられない、いたずらっ子系になるはずだった
元のゲーム「ロイラバ」では、クリストファーは自分の家名を名乗りたがりません。
実の親から捨てられて遠い親戚に引き取られるも、その家族に馴染むことができずに孤独を感じていました。
ゲームでは、他者からの愛を確かめるがごとくいたずらをし、困らせてくるキャラクターだったようです(でも可愛いし人なつっこいから憎めない)。
クリストファーもエリザベスとのかかわりで変わります。
クリストファーに関しては、お兄様の影響も大きいかも
なんて言ったって人望のお兄様だもの
そのお兄様からの愛が無償のものであることを信じられるようになったのは、エリザベスとの関わりも大きかったのかもしれません。
義兄と共にエリザベスの世話を焼く弟
エリザベス・バートンはヒロインに攻略されるため、イケメンになるべく日々努力を重ねています。
騎士道精神を学び、訓練を重ね、戦う力もかなりのものを身につけました。
学園入学時点で「ゴリラなんて可愛いもの」と言われるほど(書籍1巻より引用)。
それでもエリザベスのお兄様(魅惑のふにふにボディ)から見たら、エリザベスはいつまでも「ちょっぴりおてんばさんな妹」なのです。
基本的にエリザベスはお兄様の言葉には一も二もなく従います。
ですがお兄様は、いつも無茶をする妹・エリザベスのことが心配でたまりません。
義弟であるクリストファーは、そんなお兄様と共にエリザベスを見張る役目を務めます。
エリザベスは身内(特にお兄様)には甘いです。
エリザベスにとってクリストファーも「大事な家族」の枠に入っているので、とても近いところにいます。
ですが「弟」の枠から離れることはありません。
物理的にも精神的にもエリザベスと近いところにいるはずのクリストファー
同時に、「恋人」からは一番遠いところにいるような気もします
ツンデレ同級生・アイザックは努力に努力を重ねる秀才
エリザベスの同級生であるアイザックは、眼鏡をかけた秀才キャラです。
彼に関しては、他のキャラクターと比較して、元のゲームからの変化はあまりないように感じています。
強いて言うなら髪型が変わったのかな?
(元はおかっぱだったらしい)
アイザックは元から秀才キャラクター
アイザックは元のゲームでも秀才でした。
エドワードやロベルトが力で障害を突破するイベントがあったのに対し、アイザックは頭を使って突破するイベントが多かったそうです。
ゲームではないこの世界でも、彼は秀才でした。
人から見えないところで、血の滲むような努力を重ねて結果をたたき出すタイプの秀才です
努力の人
エリザベスがああ振る舞っているから
元のゲームと比較して変化の少ないアイザックでも、「元のゲームでは絶対やっていなかっただろう行動」を取ることがあります。
エリザベス絡みで、アイザックが生真面目な性格でそのまま突き進んで、すごい行動を取った、ということがありました。
元のゲームでアイザックは絶対ああいう格好はしていないよね、たぶん
同級生として、友人として、さっぱりした付き合いをしつつも……なアイザックは、見ていてとても美味しいです。応援しています。
舎弟気質の婚約者・ロベルトは元キャラの見る影もない
ロベルトはエリザベスの婚約者です。
彼が一番、ゲームからかけ離れたキャラクターとなってしまいました。
原作(ロイラバ)のロベルトファンがいまのロベルトを見たら泣いちゃうだろうな
でも本人(ロベルト)はとても幸せそうなのである
ゲームでは俺様キャラだったロベルト
ゲーム、ロイラバでのロベルトは俺様キャラだったそうです。
前髪も長めで、Mの字になっているタイプのヘアスタイルでした。
兄は王太子であるエドワードです。
優秀な兄と比較されることを嫌っていました。
なお、攻略対象としては、最も好感度を上げやすいキャラだったようです。
他のキャラクターを攻略しているときでも、なぜかロベルトの好感度の方が上がってしまう仕様でした。
「そのときに最も好感度の高いキャラクターが登場する」ような終盤のイベントでも意図せずにロベルトが登場してしまうので、あまりのチョロさから「チョロベルト」とファンたちに呼ばれるほど。
実際の乙女ゲームでもそういう攻略対象がいますね
(具体的な名前は出てきませんが)
エリザベスの舎弟になったロベルト
エリザベスとロベルトは婚約関係にありました。
ですが互いに興味を持っていません。
幼少期のパーティーで一度顔を合わせたきりで、以降は会うこともありませんでした。
エリザベスが騎士団候補生たちの教官として指導に訪れた先にロベルトがいました。
ですが、エリザベスは相手が婚約者のロベルトだとは気づいていませんし、ロベルトもまた目の前の人物が自分の婚約者だとは気づいていません。
エリザベスが気づいたときには時すでに遅し。
ロベルトは大幅なキャラクターチェンジを遂げてしまっていたのでした。
俺様のロベルトくんはどこに行ってしまったのでしょうね…
残ったのは、大型犬のようにエリザベスにくっついて動き回るロベルトくんだけ
(可愛い)
エリザベスは鈍感……というより興味がなさそう
エリザベス・バートンは、所謂鈍感系ヒロインではないと私は考えています。
でもエリザベスは気づきません。
びっくりするくらい気づきません。
彼らのアピールが遠回しが過ぎるのかもしれませんが気づきません。
本人もさすがに面と向かって告白されたら嫌でも理解するとは思うんですが、彼らにも彼らなりの事情があるので、はっきりと想いを伝えることはありません。
いや、でも本人たちは伝えているつもり、なのかな?
これはもうただエリザベスが鈍いのではなく、彼らのことにあまりにも興味がないから気づけないのではないかな、と思い始めてきました。
彼らのことは個人としてそれなりの興味関心は持っていると思うのですが、恋愛対象としての興味はなさそうです。
エリザベスは必要であれば全身全霊をかけて向き合ってくれると思うのですが、今は彼らに恋愛対象として向き合う必要性を感じていない模様。
では恋愛対象として誰に興味を持っているのかと言われると、誰でもないような気もします。
エリザベスが誰とエンディングを迎えても驚く
いまのところ、エリザベスが誰と結ばれるのか全く想像がつきません。
誰とも結ばれないのでは?
みんな同じような位置にいるので、誰と結ばれても不思議ではないですし、誰と結ばれても驚きそうです。
個人的にはロベルトとマーティン(出番がほとんどないサブキャラ)を応援しています
メンズの格好いいと可愛いと可哀想のバランス
「モブどれ」の中で一番格好良い(と私が思っている)のはエリザベス・バートンです。
いま紹介した人たちも格好良いです。
格好良いんですが、エリザベス・バートンがあまりにもイケメているので、それと対峙する彼らには格好良いよりも可愛いを感じてしまうんです。
彼らは見た目が可愛いのではありません。
クリストファーは文句なしに見た目から可愛いですけどね
行動とか考え方とか、仕草とかが、見ているうちに「可愛いなぁ、この人たち……」となってしまうのです。
このごつい人に可愛さを見出してしまった私はもう末期なのでは
それでいて報われそうにないので可哀想にも感じます。
ちなみに、彼らに関するエピソードの中で一番好きなのは、「コーナーで差をつけるな(書籍1巻p.209)」での一件です。
思い詰めたロベルトと、その他の人達がある行動に出ます。
男性らしい骨格を活かしながらも美しさも同時に感じられる描写がありました
すごく好きです
書籍版では該当場面の挿絵も拝めます。
おわりに
- 攻略対象者たちは多少の差はあれど変化している
- 元の性格からの変化は少ない
- 同級生・アイザックの変化が最も小さい(気がする)
- 婚約者・ロベルトの変化が最も大きい(たぶん)
攻略対象たちは男性としての格好良さと可愛さがあります。
エリザベス・バートンは、麗人の格好良さがあります。
「好き」のツボをドスドスと刺激されている気分です。
書籍は2巻までの範囲で一段落しています。
書籍で買うなら、1~2巻をまとめての購入が良いかもです。
Web連載版では書籍化されている範囲を含めて、もっと先まで読むことができます。
試し読みをしてから購入を検討できますのでぜひ。
続編の3巻の発売は2023年7月の予定だそう。
2巻からキャラクターチェンジしたエリザベス様が好きです!
最高のイケメンを目指し?ている1~2巻のエリザベス様も好きだけど
3巻以降の範囲のエリザベスも!
好きなんです!!
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