漫画版の、おじさんな馬丁と行く成り行き逃避行も好き

好きー。
いやもう本当好きー。
最近知って読んだ漫画です。
全2巻で終わっている。終わってしまっている。
完結はしていますが、終わってしまっているんです。
漫画で知ってからWeb小説版を読み始めました。

何でもっと早くこのお話の存在に気づかなかったの私!
めーちゃくちゃ良いです。
今回はまず、コミック版の「嫉妬とか承認欲求とか、そういうの全部捨てて田舎にひきこもる所存(漫画・キャラクター原案:日野晶 / 原作:エイ)」のお話をします。
「嫉妬とか承認欲求とか、そういうの全部捨てて田舎にひきこもる所存」のあらすじ
働き者のお嬢さんとお調子者な頼れるおっさんが繰り広げる、新天地での人生大逆転ラブ♥
結婚式当日に浮気され婚約破棄、家族からも見放された令嬢ディア。
家も、家族も、故郷もぜんぶ捨てて、縁もゆかりもない僻地の村で孤独に生きることを決める。
しかし偶然出会った元傭兵のジローが用心棒として立候補し、一緒に町を出奔することに。
「全て忘れて一人で生きよう」そう思っていたのに、ポンコツだけれど包容力のあるジローに、次第に心を許していくことになり…。
漫画版「嫉妬とか承認欲求とか~」のここが好き
- 馬丁のおじさん・ジローが可愛い
- 保護者と被保護者のような関係
- 確かにしている恋
- 2巻で綺麗にまとめられている
馬丁のおじさん・ジローが可愛い
登場からおじさん・ジローが可愛いです。
虫に怯えて涙も鼻水も垂らしてるし、虫怖さにディアさん(18歳)にすがりついてるジローさん(36歳)がとても可愛い。
漫画版はここから入ったので、虫をペッとぶん投げて払うディアさんのたくましさも印象強かったです。
そのたくましい女の子と並んでいるせいか、涙目のジローさんの可愛いこと。

可愛い

可愛いは心を救いますよ……
- 馬丁のジロー
この記事のタイトルや見出しにはジローさんのことを「馬丁」と書きましたが、実際そこまで「馬丁」要素は大きくないです。
ディアさんと出会ったときに、ジローさんがディアさんのお宅で用心棒兼馬丁をしていた、というだけです。
出会ったときは馬丁だったのでここでは「馬丁」としていましたが、それだけでした。そんな訳で本作に馬はあんまり出てこないです。
保護者と被保護者のような関係
初回から、「虫に泣くおじさんと虫を追い払う女の子」という関係から入ったので、情けない年上男性とその世話を焼く年下女子なのかなあって思いながら読んでました。
だいたいそうなんですけど、それだけじゃない。
基本的にジローさんは情けないです。
ほとんど素だと思いますが、意図的にそう振る舞っているところもあると思います。
ディアさんは強いです。
でも肉体的な強さとか精神的な、揺るがない強さを持っている人ではないです。
ディアさんは、強くあらねばならない環境で育ちました。
商人の家で生まれたディアさん。
父親とその後妻は異母妹・レーラばかりを可愛がります。
ディアさんは商家としての手伝いや勉強などをさせられるばかりで自由はありません。
父親たち家族からの扱いは酷いものでした。
ディアさんが幼い頃から手伝いをしている商店の息子・ラウとの婚約も早々に決められていたものの、ラウからの扱いも酷いです。
本当は、強くもない、ただの18歳の女の子です。
強さもたくましさも持っているけれど、弱い部分もたくさんある子。
ジローさんはジローさんなりに考えるところもあって(決してディアさんのことを純粋に慮ってということではないんだけども)、ジローさんなりにディアさんを守っていることが分かります。
ディアさんのぼろぼろの心を救ってくれたのは、ジローさんでした。
保護者と被保護者のような関係という点は変わらないのですが、ジローさんとディアさんは初めに思っていた関係とはまた違っていました。
確かにしている恋
漫画版のディアさんとジローさんは、じれじれと、でも確かに少しずつ関係が縮まっていきます。

これは

恋!!
互いに居心地の良さを感じたり擦れ違ったり、そして縮まっていく距離。

めっちゃ良い恋愛漫画
ちなみにWeb小説版はまた違った距離の変化が書かれています。
漫画版よりも遙かに距離が離れ、近づきます。

Web版は二人が離れるところがしっかり描かれているのが良いんですよ!
どっちも良い。どっちも美味しい。好き。
2巻で綺麗にまとめられている
Web小説版は402,362文字。
文字数は多いですし、中身も濃いです。
小説の単行本が一冊当たり10万字(より少ないかも?)だとして、4冊以上の文字数が書かれています。
感覚ではありますが、大体漫画版は小説単行本2巻分くらいでまとまっていることが多いような気がします。
私は漫画の3話まで読む→Web版小説を最後まで読む→漫画版を最後まで読むという順番で読みました。

約半分のボリュームになっているわけだけど

この濃い物語をどうやって2冊に収めたんだろう?
ハラハラしながら漫画版を最後まで読みました。
結論として、すっごく綺麗にまとめられていました。
漫画の初めから、この終わりに持っていく想定でまとめられていたんだなというのが分かる構成となっていました。
ジローさんとディアさんの二人の良さやストーリーの良さを損なうことなく、綺麗に構成されています。
展開が変わっているので、結末の二人の距離の縮まり方が変わっています。

これはこれで好きー!
おわりに
漫画版は短くまとまっているので、漫画→小説の順番も楽しめると思います。
小説は文字数も多いですし、ストーリーも濃い、その分登場人物も濃いです。
ぞわっとした怖さもマシマシです。

漫画版が好きな人に小説版も読んで欲しいー!
余談・ここも好き
「ジローさん可愛い」から入ったこのお話。
ディアさんや生家の人らの服装のデザインも好きなんですよね。
この人たち、爵位のある家の人たちじゃなくて、町の大きな商家の人たちなんです。
着ている服装はそこらの町人と違う良い物を着ているのが分かるんですが、いわゆる貴族の着る服とは違うんです。
ラフな感じのある良い服と言いますか。

服を表現する語彙の乏しさが悔しい!
生家の人たちのことは全く好きになれないんですが、彼らの着る服やディアさんの着る服のデザインは好きです。