改めて読んでから気づいたモブどれ3巻の良さ

「モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う(作:岡崎マサムネ)」の3巻を読み直しました。

読み直しです、読み直し
Webでも読んだし、発売したときにも読んだんですけど、改めて読み直しました。
改めて読んでから気づいたんですけど、モブどれ3巻、めちゃくちゃ良いですね!?
前に読んだときは全然意識してませんでした。
3巻収録部分はこれで一つのお話が落ち着いていまして。
この後にまた長めのお話が来るので、そこからの話を早く書籍で読みたいなあとか思ってたんです。
違いますわ。
3巻から良いですわ。
2年前の私、何を言ってたんだ。
3巻、めちゃくちゃ良いじゃんよ。
ということで、今回は「モブ同然の悪役令嬢が男装して攻略対象の座を狙う(モブどれ)」の3巻のお話をします。

「モブどれ」とは、という紹介については別記事でお話ししています!
モブどれ3巻の主な内容
あらすじ
世界が、輝いている──。乙女ゲームの設定を出し抜き、友情エンドを勝ち取った私に怖いものはない。ただ麗しいだけの男装軟派騎士エリザベス・バートンとして学園生活を楽しめる……はずが、転校してきた隣国の王子からまさかのプロポーズ!? 隠しキャラにしては妙な動きだ。国際的な不和問題もあるし、どうにもきな臭い……というか甘い言葉でやたらと口説くの、私とキャラが被ってないか? そして肉食系に転身した原作ヒロイン、張り合って私を奪い合うのをやめなさい。私は私のものだから!「喧嘩はダメだよ、子ウサギちゃんたち?」突然のライバル襲来で危険なラブバトル勃発!? ノーブル&ファビュラスな学園ラブ・コメディー第三弾!
本編終了後の長いエピローグのような、その後のお話
2巻にて、モブどれは乙女ゲームのエンディングまで辿り着きました。
乙女ゲームのストーリー部分は終わりましたが、エリザベスたちの物語はまだ終わっていません。
メタ的な視点で言えば、ここから先のお話は、エピローグです。
いえ、まだゲームは終わっていないんですけど。乙女ゲームって攻略するまでが本番、みたいなところ、ありません?
なのでわたし的には、ルート分岐が終わったのであとはもうエンディングまで一直線、という気持ちなわけで。
ここから先は、おまけというかアフターストーリーというか。余韻というか。
作中ではこのように言われていますが、アフターストーリーやおまけというにはものすごく濃いし長いです。
とにもかくにも、エリザベスたちの姿をまだまだたくさん見ることができるんですよ!
3巻にて新登場!元ゲームの隠しキャラ・ヨウ
2巻まででもチラチラと名前が出ていたヨウ・ウォンレイが、3巻で登場します。
ヨウはロイラバ(Royal LOVERS)の隠しキャラだそうです。
Royal LOVERS(通称:ロイラバ)は、「モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う」の舞台となっている、架空の乙女ゲームのタイトルです。
実際の乙女ゲームとは関係ありません。

ヨウは東の国の第六王子で、半年間の留学生としてエリザベスの学園にやってきました。
ロイラバの主人公であるリリアやロベルト、アイザックたちのいるクラスに入ります。
つまりはエリザベスのクラス。
目的を果たし、力の抜けたエリザベス・バートン
エリザベスは前世の記憶が蘇ってから、主人公に自らを攻略させるべく努力し続けてきました。
エリザベスは前世の記憶がめちゃくちゃ薄いです。
前世のことはふんわりとしか覚えていません。
前世の記憶が薄すぎることに衝撃を感じてはいたものの、そんなに深刻には考えていません。
先ほど、「前世の記憶が蘇ってから」とお話ししましたが、蘇ったと言えるほどはっきり蘇ってはいないなあと思いました。
身体作りから顔作り、キャラクター作りなど、ありとあらゆることをしています。
「自分を主人公に攻略させる」という目的が果たされたことで、3巻のエリザベスは燃え尽きてしまいました。
余計な力が抜けたことで、色気が増してしまったそう。
エリザベスのファンクラブ(友の会)の子たちが何人も医務室送りになってしまったとか。

力が抜けたことで破壊力が増している!
いや、でも分かるよ。
ちょっと気怠げに笑うバートン様、絶対素敵だもん。
それはそれとして、エンディングを迎えたからといって別に女生徒用の制服を着るようになったわけではないですし、元のままのイケメているエリザベスのままです。

イケ度は3割増していますけど
男性に見紛う姿なのですが、ヨウはエリザベスを一目見て、女性としてエリザベスに求婚してきました。
守られるエリザベス・バートン
「何と美しい方でショウ! ワタシはアナタと出会うために、ここへ遣わされたのですネ!」
「麗しいお嬢サン。お名前は?」
「ワタシはアナタに一目惚れしましタ! どうか結婚してくだサイ!」
何度も申し上げますが、エリザベスはパッと見では女性に見えないんです。
だからおかしいんです。
一目見て、エリザベスを女性扱いしてくることが。
「男の格好していたけど、一目で本当の性別に気づくなんて! ドキッ!」みたいなときめきとかじゃないです。
モブどれはそういう系ではないので。
エリザベスもリリアも、「ヨウ・ウォンレイ」というキャラクターは知っているので、裏があるのだろうと思ってはいますが。
とにもかくにも、ヨウ関連というか、東の国関連で、エリザベスは大変な目に遭います。

エリザベスが「大変な目」として感知しているのはヨウのしつこさくらいです

その裏では、東の国関連でエリザベス自身が危険な目に遭っているのですが、本人は全然気づいていません
エリザベスは自分が危険な目に遭うことにはあまり頓着していません。
頓着していない、というとちょっと語弊があるのかもですが、エリザベス本人は「我が身が可愛いので」自分の命が関わるようなことはしない、と言っています。
ですがエリザベス自身が強過ぎるために大概のことは「自分の命が関わる危険」判定されないのです。
結果、自分が危険な目に遭うことに頓着しない、という状態になっているようなところがあります。
エリザベス自身は気にしていませんが、周りはそうではありません。
エリザベスの気づかない裏で、彼女を守るべく様々な人が動きます。
今まで、圧倒的強さ故に守られるというより守る側、戦う側だったエリザベスが守られている構図が、めちゃくちゃ良いです。
最高。好き。
「エリザベスのこういうところが好きなんですよー!」ていうのは2年前も語りまくってました。

ドライだけど駆けつけてくれるエリザベス・バートン
エリザベスってドライなんですよね。
優しいところもあるけど、その人のためだけの優しさじゃないですし、一人だけに尽くしてくれるわけでもない。
好意を持って接してくれはするけど、ラインは超えないというか。

そこが良いんですよねえ
で、そのエリザベス、基本的には誰かのために自己犠牲的な戦いをすることはありません。
ですが先ほどもお話ししましたように、ちょっとしたことであれば危険判定しないので、友人がピンチに陥ったときには助けに来てくれます。
無傷では済まないような危険があると知っていたはずなのに。
何でもないような顔をして、怪我を負いながら助けに来てくれるんですよ。

そういうところが、沼!
もうほんと良い。
エリザベス・バートンの良さが詰まっています、3巻。
3巻の「被害者の会」は近衛騎士・マーティン
1、2巻どちらも番外編として「エリザベス・バートン被害者の会」が収録されています。
エリザベスの被害者たちがエリザベスについて話すやつです。
今回は近衛騎士のマーティンの話が収録されていました。

マーティン好きなので、マーティンメインの話が嬉しすぎる!
王太子・エドワードがエリザベスを呼びつけるときに使っている近衛騎士です。モブ中のモブなので、本編での登場はほぼありません。
隠密能力に長け、初期のエリザベスはその気配を察することができませんでした。
こちらを読んで思いましたけど、マーティン可哀想過ぎますね。愛おしい。
ぜひとも今後も可哀想でいてほしい。
あまりにも大きな、お兄様の愛
3巻の番外編には、お兄様の語るエリザベスの話も収録されています。
番外編の「エリザベス・バートン被害者の会」の中に入ってはいましたけど、お兄様はエリザベスから被害を受けたとは思っていないんじゃないかな。
収録上ここに入れておいたという感じ。
こちらを読んで思いましたけど、お兄様の愛が大きすぎる。
あまりにも大きくて深くてあたたかな愛。
これほど大きな愛に包まれていたら、エリザベスはそりゃあお兄様大好きっ子になりますよ。
お兄様は人望の公爵と呼ばれるバートンを継ぐ人です。
人を信じるところから始めるスタンスの人なのですけど、ある日を境に思いっきり変わってしまった妹のことも信頼と愛で見守ってくれています。
お兄様の存在そのものが尊すぎる。愛おしさの塊。
お兄様については「もちぷにボディが可愛いなあ」みたいな気持ちでいたんですけど、心根の美しさに気づかされて惚れ直した感あります。
おわりに
昨今のライトノベルはWeb発のものが多いので、書籍を買わなくてもWebで読めるものが多いです。
モブどれもその一つ。
Webでがっつりと読むことができます。
いやでもこれ、書籍買って良かったですわ。
3巻、すごく良い。
ふと読み返したくなったときにページをめくりながら噛み締めつつ読めますもん。
正直、気づいたらWeb版が完結していたので、持っている分の書籍(2025年9月現在、6巻まで所有)を読んでからまとめで記事を書こうと思ってました。
まさか3巻を読んだだけで記事を一つ書くことになるとは思ってもみませんでした。
記事というか、たぎった感想を思いのままぶつけただけのものですけど。
やっぱり良いなあ。好きだなあ、モブどれ。