小説を書くなら正しい日本語で書かなければいけない。
こう考えた私が行き着いたのは漢字検定でした。
高校受験を前に3級を取得したところで止まっています。
当時準2級を受けてはいますが、結果は不合格でした。
その後の受験はしていません。
社会人となって、小説の書き方について考えたときに改めて漢検に向き直ってみました。
小説を書く経験を経た上で、2級の勉強を始めた私が「小説を書くために漢検は必要かどうか」の疑問にお答えします。
はっきり言って、小説を書くためなら漢検は必要ありません!
その理由について詳しくお話しします。
小説に必要ない漢字の知識も問われる
漢字検定では、出題内容が級ごとに少し変わります。
私がいま勉強している2級を例に、出題内容を挙げてみます。
- 漢字の読み
- 漢字の書き取り
- 部首・部首名
- 送り仮名
- 対義語・類義語
- 同音・同訓異字
- 誤字訂正
- 四字熟語
- 熟語の構成
引用元:漢検2級過去問題集平成30年度版
漢字の読み書きや送り仮名、四字熟語あたりなら学ぶのも理解できます。
これらをマスターしておけば小説で使える語彙が増えますからね。
気になるのはこの辺りです。
- 部首・部首名
- 熟語の構成
部首・部首名は文字通り、漢字の部首を答える問題です。
熟語の構成では、二文字の漢字がどう構成されているかを答えます。
選択問題なのですが、出題された問題の漢字が以下のどれに当てはまるか答えるものです。
- 同じような意味の漢字を重ねたもの(岩石)
- 反対または対応の意味を表す字を重ねたもの(高低)
- 上の字が下の字を修飾しているもの(洋画)
- 下の字が上の字の目的語・補語になっているもの(着席)
- 上の字が下の字の意味を打ち消しているもの(非常)
引用元:漢検2級過去問題集平成30年度版
これを知っているからと言って、小説の執筆にどう役に立つのか。
小説を書くのに直接役立つことはなさそうです。
普段使いしない漢字が出る
2級までは常用漢字の中から出題されます。
それより上の級では、常用漢字以外の漢字も出題範囲に入っています。
2級の審査基準は「すべての常用漢字を理解し、文章中で適切に使える」ことです。
高校を卒業して久しい社会人の立場からすると「何処かで見たような気がするけど、どんな漢字(読み)だったか思い出せない」くらいの漢字があるように感じました。
初めて見る四字熟語や熟語も少なくありません。
これらを全て習得したら確実に語彙は増えますが、小説で頻繁に四字熟語を使っていたら堅苦しい印象になりますし、くどさも感じそうです。
使いどころの難しい知識です。
パソコンを使えば大体漢字は出てくる
漢検では、自分の手で漢字を書く能力が必要とされます。
ですが、小説を書くときは自分の手で漢字を書けなくても問題ありません。
パソコンを使って書いてれば、パソコンが変換してくれます。
うろ覚えの漢字であっても、読み方と使い方を把握していれば小説を書けます。
新人賞を受賞したら校閲さんが誤字や誤用を直してくれるので、それほど神経質になって正しい日本語に拘る必要もないです。
あまりにも日本語の誤用が酷いときは受賞しない可能性はあります。
それでも日常生活に支障のない程度の知識があれば影響は少なそうです。
漢検で正しい日本語は身につく
漢検の勉強をしておけば、正しい日本語は身につきます。
新人賞ではなく、自力で書いていく場合は正しい日本語が必要になります。
- 小説投稿サイトでの連載
- 同人誌の製作
- 電子書籍の発行
これらの小説書きをするのであれば、正しい日本語を知っていると良さそうです。
誤字や誤用の少ない文章は読みやすいので、綺麗な日本語で書いていれば読者が増える可能性があります。
その場合でも、ココナラなどで第三者に文章をチェックしてもらうのであれば、自ら漢検を勉強する必要はありません。
漢検の勉強に時間を費やすよりも、辞書を使いながら本を読んだり、小説をひたすら書いたりした方が文章力は上がりそうです。
まとめ
- 漢検では小説で使わない知識も問われる
- パソコンを使えばうろ覚えでも文章は書ける
- 漢検で正しい日本語は身につくが無理にやらなくてもいい
漢検の勉強をしたら、確実に語彙は増えますし、正しい日本語も学べます。
自分にとってプラスになることは間違いないです。
特に、自力で小説を公開していきたい人や、校閲者を目指す人にとってはやる価値があります。
ですが、単に「誤字のない小説を書く」ことを目的に漢検を勉強するのは待ってください。
誤字や誤用のチェックは人に任せてしまうのも一つの方法ですよ。
そうしたら漢検の勉強で使うはずだった時間を、小説の執筆にあてることができます。
小説書きになりたいのか。
それとも校閲をする人になりたいのか。
自分が何をしたいのかを改めて考えた上で決めてください。
ちなみに、漢字検定の勉強をするなら、このテキストと問題集がおすすめです。
読み直しても減らない誤字脱字は、スキルを持った人にチェックしてもらいましょう。
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