長い時間をかけて、多大な労力を費やしてやっと書き切った作品です。
完結したから新人賞に応募しちゃうぞ!
…いそいそ(封筒に原稿を入れる)
応募するのはちょっと待ってください。
完結させた熱気もそのままに、出来立てほやほやの完結原稿をいきなり新人賞に出すのは止めましょう。
新人賞に出すことを止めろと言っているのではありません。
むしろ出してください。応援しています。
ですが、出すのはいまではありません。
小説が完成してから出します。
小説の完結と完成は違うものなのです。
今回は、小説における完結と完成の違いについてお話しします。
小説の完結とは?
完結の基本的な意味はこれです。
かんけつ【完結】
①完全に終わること。「―編」
②それ自体でまとまった形にととのっていること。「―した論理」引用元:広辞苑(第六版)
上記を踏まえて小説の完結の意味を考えてみると、小説の完結とは、物語が結末を迎えた状態になっていることであるといえます。
要するに、最後まで書けたら、それが完結小説です。
反対に、今後も続く予定のある小説は未完小説となります。
この未完小説で、結末が書かれない状態があまりにも長く続いているものは、エタっていると呼ばれます。
小説を書き始めたらオチ(結末)まで書かなくては意味がありません。
結末まで辿り着くのはとても大変です。
完結させるときは不格好でも構いません。
勢いに任せて最後まで書き切ってしまいましょう。
完結させた小説を完成させるのはその後です。
小説の完成とは?
完成の基本的な意味も引用してみます。
かんせい【完成】
完全にできあがること。
完全に仕上げること。「芸が―する」「理論を―する」引用元:広辞苑(第六版)
これを見てみると、小説に関して言えばどちらも同じことを指しているようにも感じます。
ですが、全く違うものなのです。
小説は、一回書き上げただけで終わるものではありません。
何度も推敲を繰り返すことによって完全に仕上げるものです。
執筆途中にもたくさん読み返して修正してきたことでしょう。
修正の作業はそれだけでは終わりません。
完結してからも行う必要があります。
物語全体を通して読み直さなければ、その場面が本当に必要なのか、あるいは不必要なのか、判断することができないのです。
そのため、完結後も推敲していきます。
最後に
完結した直後の小説は、自分にとってこの世で最も素晴らしい作品です。
数日経つと、冷えた頭がその小説の粗を探し始めます。
あそこを書き直したい、ここも書き直したい、と色んなことを考え始めるわけです。
完全に冷静になってから自作品を読み直す作業は大変な苦痛を伴います。
折角書いた小説です。
辛さを乗り越えて、自分で納得のいく形まで仕上げ、新人賞に応募してみましょう。
読み直しても減らない誤字脱字は、スキルを持った人にチェックしてもらいましょう。
ココナラなら、小説の校正・校閲を依頼できます。