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小説の書き方

一人称視点の小説は視点の切り替えをしない方がいい?

小説を書く上で、「視点が乱れるのは選考に不利」という話をしました。
>>小説で視点が乱れるのはNG!|新人賞落選の原因

一人称視点は縛りが多く、特に視点が乱れやすいです。
>>実は難しい一人称視点の小説の書き方

ひらどー
ひらどー
視点が乱れるのはダメだってわかったけど、
視点を切り替えるのはOKなの?

調べてみたところ、一人称視点の小説での視点の切り替えは「やってもいいけど難易度が高い」ようです。

今回は、
一人称視点の小説は視点の切り替えをしない方がいい?
という疑問にお答えします。

視点の乱れと視点の切り替えの違い

まず、「視点の乱れ」と「視点の切り替え」の区別をしておきます。

  • 視点の乱れ
    →一人称視点の小説なのに三人称視点のような表現をしている
  • 視点の切り替え
    →メインの語り部から別の人物の視点に切り替える

これだとちょっとわかりにくいですね。

例を上げてみます。

こんな小説があるとします。

  • 主人公の幼馴染=花子
  • 一人称視点
  • 全5章

この場合の、「視点の乱れ」と「視点の切り替え」についてお話ししましょう。

視点の乱れ

  • 5章全てが太郎の一人称で語られている。
  • 作中で、唐突に花子の心理描写が入る箇所がある。

視点の切り替え

  • 5章のうち、1~3章と5章のみが太郎の一人称で語られている。
  • 4章のみ、花子の視点で語られている。

「視点の乱れ」は途中で花子の心理描写が混じっています。

それに対し、「視点の切り替え」では、4章だけが花子の一人称視点の話として区切られていますよね。

主人公とその他の人物で、担当する箇所が明確に分けられていると、「乱れ」ではなく、「切り替え」だと言えます。

この定義は本記事において使います。
一般的には違う認識である可能性があります。

視点が乱れると読者が混乱する

視点が乱れたときに一番困るのは読者です。

読者は主人公を通して物語を見ています。

視点が乱れてしまうと、いまの自分が、誰の目を通して物語を見ているのかがわからなくなるから困るんです。

先ほどの「視点の乱れ」で例に上げた小説を読んだ読者の気持ちはこんな感じでしょう。

ひらどー
ひらどー
あれ?
これって太郎が主人公なんだよね?
それなのに、なんで花子の考えていることまでわかるの?

おかしいですよね。
普通、他人の考えていることはわからりませんから。

主人公に読心能力があるのでもなければ、他人の心理までは書けないはずなのです。

そうなってくると、もしかしたら、読者はこんなことまで考えてしまうかもしれません。

ひらどー
ひらどー
いま、この話をしているのは誰なの?

主人公以外の登場人物の視点が途中で混ざるのは不味いです。

ですが、「この章だけはこの人」と切り分けるのはOK。

では、その章はどうやって書けばいいのでしょうか?

一人称で視点を切り替えたいときはキャラ分けが必要

一人称視点の小説は、主人公の性格や口調が地の文に表れます。

ずっと同じ主人公だったら良いのですが、話の途中で視点の主が変わる場合、地の文の書き分けを意識しなければいけません。

章ごとに視点を切り替えても、主人公とその他の登場人物で地の文の口調が一緒だと、やはり読者は混乱してしまいます。

  • 若い=軽い口調
  • 年配=硬い口調
  • 知的=漢字が多め
  • 幼い=ひらがなが多め

これは簡単な書き分けの例です。

地の文は、台詞ほど自由な文章は書けません。

ここで個性を出すには相当な筆力が必要となってきます。

それでも「一人称→一人称」の切り替えは読者が混乱する可能性が高いので、避けた方が無難です。

一人称→三人称の切り替えが楽

切り替え前と後で、地の文の書き分けが難しいので「一人称→一人称」はおすすめしません。

読んでいて「視点が切り替わったな」とわかりやすいのは、「一人称→三人称」です。

  • 主人公視点のときは一人称
  • その他の登場人物の視点のときは三人称

こうすると、地の文の書き方が全く変わるので、読者の混乱は減らせます。

それでも視点の主をコロコロ変えることのないようにしましょう。

まとめ

要点まとめ
  • 視点の乱れと視点の切り替えは違う
  • 視点が乱れると読者は混乱する
  • 章ごとに視点は固定する(できたら全て統一する)
  • 頻繁な視点の切り替えは読者の混乱を招く

一人称では主人公の見たものしか書けません。

長編小説を書いていると、たまに他の登場人物の視点で書きたくなってきます。

気分で視点を変えるのは危険です。

読者はついていけません。

無意味に視点を変えて楽しいのは作者だけです。

視点の切り替えをするにしても、回数は最小限に抑えます。

そして、切り替わったことが読者にもはっきり伝わるような書き方を心がけます。

自分で楽しむためだけに書く小説だったら、どんな書き方をしても問題ありません。

読者に読んでもらうための小説を書くのであれば、読者の目を意識して書きましょう。