小説を書き始めたときに、書きやすさを感じことが多いのは一人称視点の小説です。
小説家になろうでも、一人称視点の小説をよく見かけます。
簡単だよ!
本当に主人公になったつもりで書ければいいですが、実際にやってみると難しいものです。
一人称視点では、ある縛りがあります。
今回は、一人称視点の小説で、やっていいことと悪いことを紹介します。
一人称視点で書けるもの
三人称視点では、基本的に心理描写をすることがでしません。
それに対し、一人称視点では、語り部の心理描写をすることができます。
語り部の見たものや聞いたものに、感情を載せて地の文を書くことができるのが、一人称視点です。
一人称視点での描写
一人称視点で書くときに、特に気をつけなければいけないのは視点の乱れです。
「照れ」を表現するときに「頬を染めた」と描写することがあります。
三人称視点では、この描写でも問題ありません。
一人称視点で「私は頬を染めた」と描写してしまうと、おかしなことになってしまいます。
「頬を染める」というのは、第三者から見たときの描写です。
頬は染めようと思って染まるものではないので、一人称視点の表現では相応しくありません。
一人称視点では「頬が熱くなった」と表現するのが良いでしょう。
語り部の年齢・性格合わせた地の文
視点の乱れの他に、地の文の文体にも注意しなければいけません。
語り部が幼い子どもだったら、「~である」「~だ」ばかりの堅苦しい文体はおかしいですし、知的な人物だったら、平仮名の多過ぎると違和感があります。
台詞だけではなく、地の文も語り部の個性に合わせた書き方をします。
視点移動は少なめに
小説を書いていると、語り部を移動させたくなります。
同じ章や節の中など、一つの場面で、コロコロと視点が変わるのはNGです。
読んでいる、読者が混乱してしまうため、視点移動は少なめである方が良いとされています。
一人称視点で、何の説明もなくいきなり語り部が変わることはないでしょうが、そもそも、一人称視点の場合は視点移動を極力しない方が望ましいです。
まとめ
- 一人称視点では「誰が」見ている風景なのかを意識する
- 一人称視点では年齢・性格を意識した地の文にする
- 視点移動は少なめ(またはなし)
小説では、視点の乱れは好まれません。
Web小説では良いかもしれませんが、新人賞では落選する対象となります。
一人称視点で小説を書き始める人は多いですが、実際は縛りが多く、書くのが難しい視点です。
普段は三人称で書いている人も、たまに一人称で書いてみるのも良いでしょう。
三人称よりも、語り部の視点を強く意識することになり、筆力向上に繋がります。
読み直しても減らない誤字脱字は、スキルを持った人にチェックしてもらいましょう。
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