一人称の小説を書くのは、簡単そうに見えますが意外と難易度が高いです。
>> 実は難しい一人称視点の小説の書き方|視点の乱れはNG
考えながらなんて書けないよー!
そんなときは思い切って、三人称視点で小説を書いてみましょう。
今回は、
三人称視点の小説は一人称視点よりもできることが多い!?
をお送りします。
三人称視点でできること
一人称視点は語り部の心の動きを描写するのに長けています。
それに対し、三人称視点は登場人物の行動を描写するのが得意です。
その他にもできることはたくさんあります。
代表的な例は、こちらの3点です。
- 視点の切り替えが楽
- 主人公のいない場面でも書ける
- 心理描写もできる
特に1と2は、一人称視点の小説ではできないことです。
詳しい内容をお話ししていきます。
視点の切り替えが楽
小説を書き始めたばかりだと、視点を一つに絞ったまま完結させるのは大変です。
語り部ではない、他の登場人物から見た世界も書きたくなってきますよね。
一人称視点の小説だと、地の文の書き方まで考えなくてはいけません。
三人称視点だとそこまで考える必要がなくなります。
地の文は客観的な語り口で統一させて書きます。
一人称視点の小説のように「俺は」「私は」といった書き方をしないので、地の文に登場人物の個性が出ません。
そのため、誰の視点になっても地の文の書き方は一緒で良いのです。
登場人物によって地の文の書き方を変える手間がないので、細かいことを考えずに書けます。
主人公がいない場面でも書ける
一人称視点では、主人公(語り部)の見た場面しか書けません。
主人公のいない場面の出来事は書くことができないのです。
具体的な例を上げてお話ししてみますね。
勇者(主人公)がお姫様を助けるために魔王城へ行く小説があったとします。
一人称視点だと…
- 書ける→勇者(主人公)が魔王城で戦っている場面
- 書けない→お姫様が魔王城で勇者を待っている場面
要するに「一方その頃~」と、別の場所の描写ができないわけです。
三人称視点では、基本的な視点を主人公に固定していても、主人公のいない場面も書けます。
主人公以外の人物に視点を切り替えれば良いだけなので、一人称視点よりも自由度が高いです。
心理描写もできる
一人称視点の最大の特徴は「語り部の心理描写ができること」です。
そんなことはありません。
三人称視点でも登場人物の心理を描写することはできます。
しかし地盤は三人称視点なので、一人称視点のように、登場人物の個性を活かした地の文は書けません。
客観的な書き方になってしまいます。
登場人物の個性を活かした心理をどうしても書きたいときは、思考の部分だけ()で括るなどの工夫が必要です。
心理を描写全くしなくてもいい
三人称視点では、心理描写をすることができますが、全くしなくても良いのです。
どの登場人物であっても心理を書かない。
三人称視点ではそういった書き方もできます。
三人称視点で書くときの注意点
できることの多い三人称視点ですが、なんでもやっていいというわけではありません。
やってはいけないこともあります。
その最大手が「同時に複数人の心理描写をすること」です。
同時に複数人の心理を描写してはいけない
三人称視点では心理描写もできるというお話をしましたが、これには条件があります。
描写する心理は一人に絞ることです。
先ほどの例を上げてお話してみます。
勇者視点で書いているときは勇者の心理描写はしても大丈夫です。
ですが、勇者視点で書いているときに、お姫様の心理描写をしてはいけません。
お姫様が心の中で何を考えているかなんて、勇者にはわかるはずがないですよね。
だから書けないんです。
勇者が読心術を心得ているなら話は別ですが、そんな設定の話はめったにないはず。
勇者視点の話なのに、お姫様の心理まで描写してしまうと、視点の乱れとなります。
読者には読みにくくなりますし、新人賞の選考では不利になりますので、やめておきましょう。
誰の視点で書いているかを意識する
三人称視点は、一人称視点よりも視点の切り替えが楽です。
その分、視点を切り替える回数が増えてしまいがちになります。
コロコロと視点を変え過ぎて、いま書いている話が誰の視点の文章なのかを、忘れないようにしましょう。
誰の視点かわからない文章は、読者にとしては読みにくくて仕方ありません。
まとめ
- 三人称視点は視点の切り替えが楽
- 主人公のいない場面も書ける
- 心理描写もできる
- 同時に複数人の心理を描写しないように注意
- 視点を切り替えるときは誰視点で書いているかを意識する
三人称視点では一人称視点よりもできることが多いです。
視点の切り替えが楽な点が大きな魅力。
その分、視点の切り替えが頻発してしまいがちです。
視点を切り替えるときは、誰の視点で書いているのかを常に意識してください。
作者もわからなくなるほど高頻度で視点を切り替えた小説は、読者にとってはかなり読みにくいです。
読者を意識した小説を書いていきましょう。
読み直しても減らない誤字脱字は、スキルを持った人にチェックしてもらいましょう。
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