飽き性の人間が見つけた、小説を書き続けるコツ

小説は昔から書いているんですが、絶えずずっと書き続けることができずにいました。

継続するのが一番良いってことは分かっているんですけどね!
書いている途中で止めてしまったり、「時間がない」と言い訳して小説を書くことから逃げてしまったり。

未完作品を量産して、何度もエタりを繰り返しています

私は熱しやすく冷めやすいところがあります。
文字数の多い作品をたくさん書く、ということは今もできていません。
ですが、小説を書くこと自体は毎日続けられています。
今回は、飽き性な私が見つけた、小説を書き続けるコツについてお話しします。
私の飽き性について
まず、私が飽き性だということをお話ししておきます。
この項目は、こんな人間がこの記事を書いていますよ、というだけのお話なので、読み飛ばしていただいて問題ありません。

情けない話でもありますので……ね
本題は「飽きないように小説を書き続ける方法」から始まります。
さて、私は「毎日続ける」のが苦手です。
計画を立てることは大好きです。
習慣化について調べて実践するのも大好きです。
あと、小説を書き続けたいという気持ちも相応に持っています。
ですが、数ヶ月やって止めてしまう、ということが多いのです。
下の記事の内容は私の経験によるお話でした。
「エタりを繰り返してきた」というお話を他の記事でもしてきましたが、これも私の飽きが大きいのかな、と考えています。
一度ハマるとがっつりやるのに、冷めてしまうと復帰まで時間がかかるのが自分の問題だと感じていました。
そんな自分の問題に合わせて、現在では「飽きないように小説を書き続ける方法」を実践しています。
飽きないように小説を書き続ける方法
熱しやすく冷めやすい人間が何かを継続させたいときは、そもそも熱しすぎないのが重大なポイントとなります。
私がお話しするのは、熱さずに続ける方法となります。
短期間で長編小説を書きたいときには不向きな方法です。
長期間で短編~長編小説を書きたいとき向けの内容です。予めご承知おき願います。
- 目的(何のために小説を書くか)を決める
- 締め切り(完成予定日)を決める
- 執筆作業を工程ごとに分けて計画を立てる
- 小さいタスクを毎日やる
- 遠隔でも小説の作業に触れられるようにする
- 達成記録をつける
- 一作品書き終えたらすぐに次の作品を書き始める
目的(何のために小説を書くか)を決める
小説を書き始める前にまず、目的を決めます。
締め切りも大事なのですが、最初に決めたいのはそれとまた違うものです。
- 小説の文学賞に応募するときは、「この文学賞にこの作品を出す」
- 同人イベントに出すときは、「このイベントでこの本を出す」
といった目的を決めます。
何のために書くのか、を決めておくことに意味があります。
小説をちょっとずつ書いていく、となるとどうしてもモチベーションの維持が難しくなります。
ですが、何のためにを最初に決めておくと、自分が小説を書いている意味を見失う可能性を減らすことができます。
もし文学賞やイベントなどに出すつもりがないとき(小説投稿サイトに載せるときなど)は、「完成させたら○○さんに読んでもらう」といった目的にすると良いかと。
ちなみに私は、ココナラの感想サービスでさんでんさんに感想を書いていただくことを目標にしています。


初めに決める目的は、「この作品を完成させる」でも問題ありません。
ですが、さらに強い動機を作りたいときは、「人に読んでもらいたい」という目的にすると効果が上がります。
もし身近に、小説を読んでもらえそうな人がいないときは、感想サービスの利用を検討してみても良いかと思われます。
- この人に読んでもらいたい
- この文学賞に出したい
- このイベントに出したい
といった目的が決まったら、次は具体的な締め切りを決めます。
締め切り(完成予定日)を決める
目的が決まると、締め切りを決められるようになります。
応募したい文学賞があるときは応募締め切りに合わせて決めます。
出たいイベントがあるときは、そのイベントの日と入稿予定の印刷所の料金に合わせて決めます。
ちなみに、文学賞に出したいときの締め切りにつきましては、応募受付の最終日を締め切りに設定しないように注意します。
実際に書き始めたら不測の事態によって作業が遅れることがあります。
もしも応募締め切り当日に書き切ることができたとしても、その原稿を読み直す時間がなくなってしまいます。
小説は推敲を重ねることによって質が上がるものです。
どれほどギリギリのスケジュールでも、1週間は余裕があるような締め切り設定を意識してみてください。
イベントに出したいときも同様です。
同人誌を印刷してくれる印刷所の多くは、料金が高くなるものの、入稿から発行までの日数を短くしようと思ったら対応してくれます。
ですが、初めからギリギリの入稿の想定で計画を立てていくと、ほぼ間違いなくイベントに間に合いません。
最も入稿の余裕があるプランを前提に考えます。
こちらについてもそのプランの締め切り日よりもさらに一週間ほど余裕のある日を自分の締め切りにされると良いかと思われます。
念のためお話ししました。
ちなみに、応募締め切りやイベントなど、具体的な日付が決まっていないときは、計画を立て始めた日から3カ月後を締め切りを設定します。
- どうして余裕のある締め切りにするの?
計画通りに必ず実行できる人はもう少し丁度いい日付で締め切りを決めることができるかと思われます。
ですが、飽き性の人間はそうはいきません。
たぶんですが、途中で作業量が落ちます。
下手すると途中で作業を止めてしまいます。
それでも復帰できるように、余裕のある締め切りを考える必要があります。
- 出したいイベントまで余裕がないときは?
ギリギリ入稿の想定でやっと締め切りを考えられるくらい、イベントの日まで日数に余裕がないときは、今回の方法を実践するのは難しいかもしれません。
次にイベントのときに実践する気持ちで当記事を読んでいただけますと幸いです。
小説を書く目的に、応募締め切りやイベント日など、絶対的な締め切りが付随していないときは、自分で締め切りを考えなければなりません。
この場合、具体的な締め切りを考えるのは難しいです。
遠すぎては小説を書くのを途中で諦めてしまいますし、短すぎると計画倒れになります。
そのときは、とりあえず3カ月後を締め切りにします。
- どうして締め切りを3カ月後にするの?
3カ月という期間は、私自身がやってみて、「丁度良い」と感じた日数です。
1年や半年では長過ぎて、途中で止めてしまいました。
だからといって1カ月後では書き切ることができませんでした。
2カ月後でもまだ短いのですが、3カ月もあれば推敲もする余裕があります。
長編を書くのは難しいかもしれません。
慣れないうちは練習のつもりで短編小説を書いてみてください。
短編であれば、小説を書き始めたばかりでも3カ月でどうにか完成にこぎつけることができるかと思われます。
- 実際にやってみたけど3カ月では書き切れなかった……
もしかしたら、「書きたい」と願われている要素が多すぎるのかもしれません。
もしでしたら、次は書き入れたい要素をさらに減らしてみてください。
登場人物の数を減らしたり、設定や展開をシンプルなものにしてみたり。
慣れない間はとにかく「小説を書き上げる」経験を積むことを優先します。
小説を書き続けることに慣れてくると、どのくらいの文字数の小説を書くのにはどのくらいの日数が必要なのか、自分の執筆感覚を掴むことができるようになってきます。
初めのうちはその感覚がまだ身についていないのです。
この感覚が身につくと、長編小説も決めた期間内で書き切ることができるようになります。
このため、今は自分の決めた期間(3カ月)までに小説を書き上げることを意識してみてください。
執筆作業を工程ごとに分けて計画を立てる
絶対にゴールしなければならない、最終締め切りを決めることができました。
今度は小説の執筆工程ごとに締め切りを考えていきます。
こちらは最終締め切りほど厳密に考える必要はありません。
- この日までにここまで終わってなかったら遅れている
- この日までにここまで終わっていたら進捗がいい
といったことを見定めるためのものです。
小説を書く工程は人によって異なるかと思われます。
例として私の工程を記載します。
私の場合はざっくりとこんな感じです。
- 構想を寝る
- 初稿を書く
- 推敲を重ねる
このように大まかに分けて工程で構わないので、この日までにこの辺りまで終わらせておく、と決めておきます。
小さいタスクを毎日やる
冒頭でもお話ししましたように、熱しやすく冷めやすい人はそもそも熱さないことが肝要です。
熱さないために、一日当たりの目標作業量はとにかく小さくします。
一日30分だけ小説を書くなど、少ない時間で作業します。
はじめの内はやる気があるので、何時間も作業ができるかもしれません。
ですがそのやる気が持続しません。
計画を立てた一ヶ月後には小説を書くのを止めてしまう恐れがあります。
このため、初めのやる気を小出しにするように維持していきます。
遠隔でも小説の作業に触れられるようにする
忙しい日など、どうしても小説を書く余裕のない日が出てくるかと思われます。
そんなときは、さらに達成条件を低くします。
「少しでも小説に関することをしたら達成したことにする」くらいの緩さにします。
これに加えて、毎日創作を続けられるようにするために、いつでもどこでも作業ができるように準備を整えておきます。
私は普段、小説は原稿用紙やノートに手書きしてからパソコンで原稿を打ち込んでいます。

手書きする工程を外でやるのは難しいです。
ですが、パソコンでもスマホでも同じ作業を続けられるように、データを同期できるアプリを使用しています。


一度打ち込んでしまえば、推敲作業は外でも布団の中でも行える環境にしました。
このため、旅行中だったり、出かけているときでも、自作に触れることができます。
作業の段階によってはデータを同期していても外で作業できないこともあります。
そのときは、次に書きたい小説のネタをスマホのアプリで書き留めるようにしておきます。

このように準備を整えておくと、「小説を書き続ける」モチベーションをどうにか維持することができるかと思われます。
達成記録をつける
毎日の作業は記録をつけておくとなお良いです。
作業記録はどんなものでも良いです。
きっちりと作業内容を書き留めても良いですし、作業したか否かが分かるだけのものでも構いません。

目標とした作業を継続できていることを目で見られる状態にすることに意味があります。
積み上げてきたものが見えるようになっていると、それをさらに積み上げることがやる気に繋がっていくものです。
- どうしても書くことができない日があるときは?
どれほど一日の目標作業量を減らして、どこでも作業をできるような環境にしたとしても、どうしても小説に触れることができない日もあるかと思われます。
一日休むだけでも習慣を戻すのは大変です。
ですが、どうしてもできないときは、少しだけ休んでも良いかと。
休みを入れることもまた、人間にとって大切なことですし。
あまりストイックにし過ぎても続けるのはつらくなりますので、適度に休みを入れつつやっていきましょう。
ただ、必ず小説に戻る、という気持ちだけはしっかりともっていただけますと幸いです。
一作品書き終えたらすぐに次の作品を書き始める
今回お話ししているのは、一作品を書き終えるまで執筆を継続するコツではありません。
一作品を書き終えても、その後もずっと小説を書き続けるための継続のコツです。
このため、最大の難関は一作品を書き終えたときにあります。
作品を一つ書き終えた後の達成感と開放感は大きいです。
すぐに次の作品に取りかかることができない可能性が高くなります。
そこで小説を書くことを止めてしまうと、復帰の難易度もまた高くなってしまうのです。
これからも小説をたくさん書き続けたいと考えているときは、一作品終わったらすぐに次の作品に取りかかります。
これまでに書き溜めたネタから新作を書いてもですし、ネタが浮かばないときは自分でお題を捻り出して次作品のことを考えていきます。


早くは書けないけど書ききることはできる
私のお話した方法では、長編小説を早く書ききることはできないかと思われます。
それでも作品を一つずつ書き上げていくことはできます。
これを積み重ねていくと、ふと振り返ったときに自分の作品がたくさんできている姿を見ることができるかと思われます。
おわりに
ここでお話ししたのは私の行っている方法です。
私は他の様々な人の習慣化や継続のお話を読みながら、自分に合わせて採り入れてきました。
私のお話しした方法もまた、同じように小説執筆の習慣化に悩む人が参考にされるものの一つとなることができましたら幸いです。
ちなみに、「毎日創作活動を続けること」については、「こちら亀有公園前派出所」を書かれた、秋本治先生の仕事術が参考になるものが大きいかと思われます。